岩国市図書館資料収集及び廃棄要綱を次のように定める。
平成19年3月27日
岩国市教育委員会
岩国市図書館資料収集及び廃棄要綱
岩国市図書館資料収集及び廃棄要綱の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この要綱は、岩国市図書館条例(平成18年条例第333号)第3条に規定する事業を十分かつ円滑に運営するため、岩国市図書館(以下「図書館」という。)における図書館資料の収集及び廃棄に関し、必要な事項を定めるものとする。
(収集の基本方針)
第2条 図書館は、図書館法(昭和25年法律第118号)に示された公立図書館の役割並びに利用者各層の要求及び社会的な動向を十分配慮し、山口県東部地域の生涯学習の拠点施設として広く住民の日常生活に役立ち、文化、教育、調査研究、趣味、娯楽等に資する資料並びに岩国市の特性に関する各種資料を収集するものとする。
2 前項の資料の収集に当たっては、著者の思想的、宗教的、党派的立場等にとらわれることなく、それぞれの観点に立った資料を組織的及び系統的に広く収集するため、収集方針及び選択基準を定めるものとする。
(収集資料)
第3条 次に掲げる図書館は、その施設の規模、地域性及び当該図書館の役割と機能に応じた蔵書構成に留意するとともに、図書館全体の体系的な資料の充実を図るものとする。
(1) 岩国市中央図書館
(2) 岩国市岩国図書館
(3) 岩国市由宇図書館
(4) 岩国市玖珂図書館
(5) 岩国市周東図書館
(6) 岩国市錦図書館
(7) 岩国市美和図書館
2 岩国市中央図書館は、岩国市岩国図書館、岩国市由宇図書館、岩国市玖珂図書館、岩国市周東図書館、岩国市錦図書館及び岩国市美和図書館(以下「岩国図書館等」という。)を統括し、利用者の一般教養、実用、趣味等に資する資料のほか、専門的図書、参考図書、地域行政資料その他岩国図書館等のサービスを補完する資料の収集と保存に努めるものとする。
3 図書館の分室は、限られた開架スペースのなかで利用者の要求に応えるため、利用頻度の高いものを収集する。
(収集資料の種類)
第4条 収集する資料の種類は、次のとおりとする。
(1) 図書
(2) 逐次刊行物
(3) 官公庁出版物
(4) 地域資料
(5) 特殊資料
(資料収集上の留意点)
第5条 資料収集に当たっての留意点は、次のとおりとする。
(1)収集資料は、国内で刊行される資料を中心とし、各分野にわたり広く収集する。
(2)学派、学説その他多様な対立する意見のある問題については、それぞれの視点に立った資料を幅広く収集する。
(3)著者の思想的、宗教的及び党派的立場にとらわれて、その著作を排除してはならない。
(4)図書館職員の個人的な関心や好みによって選択しない。
(5)個人、組織及び団体からの圧力や干渉によって収集の自由を放棄し、又は紛糾を恐れて自己規制してはならない。
(6)前各号の規定は、寄贈資料の受入れに当たっても、同様とする。
(種類別選択基準)
第6条 資料の種類別選択基準は、次のとおりとする。
(1)図書
ア 一般図書は、全分野にわたり、できる限り幅広く収集する。この場合において、市民生活に関連が深く、実務及び日常生活に役立ち、教養、調査研究、趣味、レクリエーション、娯楽等に資するため、基本的及び入門的な図書のほか、必要に応じ、専門的な図書まで幅広く収集する。ただし、極めて高度な専門書、学術書又は学習参考書は、原則として収集しないものとする。
イ 参考図書は、全分野にわたり、市民の日常の調査研究及び教養のため、学術的又は社会的に価値のあるものを主体に、必要な辞典、事典、年鑑、名鑑、目録、書誌、地図等を幅広く収集する。
ウ 児童図書は、幼児、児童又は生徒が読書の楽しみを発見し、読書習慣の形成及び継続並びに人格形成に役立つよう優れた文学作品、健全な教養、レクリエーション等各分野の資料(紙芝居を含む。)を広く収集する。
エ 洋書等海外資料は、必要に応じて計画的に収集する。
オ 漫画は、次のことに留意し、選択収集する。
(ア)評価の定まった作品を中心に収集する。
(イ)独自な表現手段としての漫画の特性を十分に生かした作品を選択する。
(ウ)漫画を単なる説明の手段としているものは、主題になっている部門の選択基準により選択する。
(2)逐次刊行物
ア 新聞は、国内発行の主要な全国紙及び地方紙で、児童及び青少年向けのものも含めて収集する。この場合において、地域社会の経済及び産業に役立つ専門紙並びに機関紙については、利用度に応じて収集する。
イ 雑誌は、国内発行の各分野における基本的な雑誌を中心に、生活、教養、娯楽等に役立つ一般誌、週刊誌及び女性雑誌で、児童及び青少年向けのものも含めて収集する。この場合において、地域社会の経済、産業及び科学技術に役立つ専門誌も収集する。ただし、高度な専門雑誌及び娯楽雑誌(漫画雑誌を除く。)については、利用度及び必要度に応じて収集する。
ウ 年鑑、年報及び白書は、一般図書及び参考図書に準じて収集する。
(3)官公庁出版物
ア 政府諸機関が発行する資料は、主要なものを収集する。
イ 地方公共団体その他公的機関が発行する資料は、必要度が高いものを収集する。
(4)地域資料 郷土に関する資料、地方行政資料及び郷土出身者の著作物(南陽文庫)は、次の範囲で可能な限り収集する。
ア 岩国市(合併前の玖珂郡を含む。以下同じ。)に関する資料
イ 雑誌、パンフレット、新聞等で岩国市に関する記事が掲載されたもの(切り抜き及びマイクロフィルムを含む。)
ウ 岩国市出身者並びに岩国市に関連の深い人物の著作並びにその作品及び人物について掲載した新聞、雑誌等
エ 岩国市内で発行された同人誌又はそれに類するもの
オ 岩国市が発行する行財政資料及び市内行政機関の要覧、統計、報告等
カ 岩国市内の民俗資料の記録、写真、地図等の資料
キ 山口県及び県内各市町村に関する資料
(5)特殊資料
ア 視聴覚資料 趣味、教養、娯楽又は文化活動に資するため、クラシック、ポピュラー、民族音楽、落語、ドキュメンタリー、文学作品、スポーツ等の基本的作品及び代表的演奏者の作品を中心に収集する。
イ 障害者用資料 視覚障害者等の利用に供するため、点字資料、大活字本、録音図書等を収集する。
ウ マイクロフィルム マイクロフィルムは、原則として永年保存用として既に作成しているもの及び保存を要するもの(山口版・岩国市関係分の新聞記事分)のみを収集する。
エ パンフレット等 パンフレット、リーフレットその他必要な資料等は、図書等の関連を十分考慮して必要に応じ、収集する。
オ その他特定の目的を定めて必要な資料を収集する。
(複本)
第7条 収集資料は、原則として1点とする。ただし、次に掲げるものは複本を備えることができる。
(1)利用頻度の高い図書類
(2)2箇所以上に配置した方が望ましい図書類
(3)郷土出身者の著作物
(4)郷土資料
(寄贈資料等の収集)
第8条 資料の収集は、購入を原則とし、寄贈等も必要に応じて活用する。この場合においても、この要綱に定める基準を適用するものとする。
(廃棄の基本方針)
第9条 図書館において利用価値を失った資料を廃棄することにより、書架の合理的な利用及び常に質の高い新鮮な資料構成の維持に努めるものとする。
2 長期間にわたり所在を確認できない資料を廃棄扱いとすることにより、現存する資料を正確に把握するとともに、必要な資料の補充を行い、適正な資料構成の維持に努める。
3 図書館として体系的な資料構成を図るため、不用になった資料の取扱いは、この要綱に定める基準を適用し、それぞれの館において決定するものとする。
(廃棄の対象資料)
第10条 廃棄の対象となる資料及びその基準は、次のとおりとする。
(1)破損(汚損)資料 甚だしい破損又は汚損のため、修理、製本等の補修が不可能な資料又は代替資料があり修理価値のないもの
(2)亡失資料 資料点検の結果、所在不明となった資料で、1年以上調査してもなお不明なもの
(3)未返納資料のうち、借受人の所在不明等で督促不能となって1年以上を経過したもの
(4)不用(不要)資料
ア 発行後10年を経過した白書、団体名簿、人名録、百科事典、地図帳及び目録又は自然科学、工学及び産業書のなかで内容検討の結果、保存価値がないとみなされるもの
イ 発行後20年を経過した人文科学及び社会科学書で内容検討の結果、保存価値がないとみなされるもの
ウ 実用書類で、新版、改訂版又はより優れた図書により更新されたもの
エ 要求の強さに応じて購入した複本で今後の利用が考えられないもの
(廃棄資料の譲与)
第11条 図書館は、廃棄を決定した不用資料を必要に応じて、他に譲与することができる。
(保存資料の集中管理)
第12条 図書館として保存すべき資料は、原則としてそれぞれの館又は室において管理するものとする。ただし、1箇所で管理した方が望ましい保存資料は、岩国市中央図書館において集中管理するものとする。
(その他)
第13条 この要綱に定めるもののほか、図書館における資料の収集及び廃棄に関し必要な事項は、教育委員会が定める。
附 則
この要綱は、平成19年4月1日から施行する。