岩国市中央図書館では、入口を入ってすぐ左手にある展示ケースを、小作品等の発表の場として貸し出しこれまで、コレクションの紹介から研究の発表まで、様々なテーマでの展示を行っていただいております。

 2024年末の展示は、6歳のこうげ わかさん。小さなアーティストさんによる作品展示になります。内容は……、


 ポケモンのおりがみです!

 冬休みで子供たちが集まるこの時期にぴったりなこの展示。この記事を執筆している現在、まだ展示開始して数時間ですが、早くもおりがみを指さしながら楽しそうにポケモンの名前を呼ぶ子供たちの、ほほえましい姿が見受けられます。

 そんな中央図書館に明るい雰囲気を醸し出してくれているこうげ わかさんによる「ポケモンのおりがみてんじ」
 今回の展示のため集合した、総勢80匹以上の力作たちを紹介していきましょう!

 1996年のゲームソフトから始まり、アニメにマンガとたくさんの派生作品があり、今では日本を飛び出し全世界で愛されているポケモン。
 たくさんの登場キャラクターがいる作品となりましたが、それでもポケモンと言えばやっぱりサトシ!こうげ わかさんの「ポケモンのおりがみてんじ」でも真ん中にいるのはサトシと相棒のピカチュウです。
 こんなにたくさんのポケモンがいる中でもちゃんと隣同士にいる2人に、直撃世代の私なんかは思わず嬉しくなってしまうのですが、同じように感じる方も多いのではないでしょうか?

 全体的な構図がコチラ。
 ケースを埋め尽くさんばかりのポケモンたち!
 一つ一つ工夫されて作られた力作が一堂に会していて、すごい迫力です! 

 ケース内の配置にも工夫があって、サトシ・ピカチュウを中心に、ポケモンの特性ごとにまとめられて並べられているんです。
 ほのおタイプの後ろに描かれている燃え盛る炎や、みずタイプの後ろの涼やかな水の流れもすべてこうげ わかさんの手書きによるもの。
 ケースに飾る前に配置や並べる数などすごく考えて、作ってくれたのがよくわかります。

 それでは飾られているポケモンをタイプ別に見ていきましょう!
 


 まずは水タイプのポケモンたち。

 左下にいるピンク色のポケモン「ヤドン」は「うどん」と一字違いということで、香川県とコラボしている事も有名なので、ポケモンを知らなくてもご存じの方も多いのではないでしょうか? マンホールのふたからヤドン公園まで、香川県のいろいろなところで頑張っているので、足を運ぶ予定のある方はぜひチェックしてみてください。

 そしてカープ人気の高い岩国市民なら忘れてはいけないのが右側に飾られている赤いポケモン「コイキング」!
 赤で、しかも鯉ということで、カープに非常にゆかりのある(?)ポケモンとなっています。広島にあるポケモンセンターでは、その進化系である赤い「ギャラドス」の像が飾られていることも有名です。

 他にもポッチャマやコダックなど人気ポケモンがずらり!折り方やお絵描きで工夫されていて、知っている人なら一目でこれだ!とわかる造形になっている力作ばかりです!正直全ポケモン分かるのですが、それだと別の紹介になってしまうので、ここでは断腸の思いで割愛させていただきます。

 続いてはエスパータイプ!

 左に飾られているミュウツーやミュウ、真ん中のルギアなど非常に強力なポケモンが多く飾られています。
 劇場版でフィーチャーされることが多いポケモンなので、作品をよく知らなくても、お子様と一緒に観に行った保護者の方で御存知の方も多いのではないでしょうか?

 お次はノーマルタイプ!

 ノーマルと侮るなかれ。ゲーム中では弱点の少なさから対戦で重宝されることの多いポケモンたちです。

 左上の「カビゴン」と「トゲピィ」の笑顔がかわいらしくて、見ているこっちまで笑顔にしてくれますね。
 この「カビゴン」はアプリ・ポケモンスリープではメインである他、本当に様々なところで紹介されているポケモンなので見たことある方も多いと思います。

 他にもイーブイ・メタモン・ラッキーなど人気のポケモンも多く,他のタイプに比べても一層見応えのある一角になっています。


 少数精鋭のかみなりタイプはこちらの3匹!

 圧倒的人気のピカチュウに目が行きがちですが、サンダース、パチリス、デデンネと屈指の人気ポケモンが揃っています。

 右上の「デデンネ」はちっちゃいのに、その中に細かくいろんな特徴が詰め込まれていてすごいです!これは作るの難しかったのでは……。


 こちらはほのおタイプ!

 かっこいいポケモンの多いほのおタイプの特徴も見事に再現!
 グラードン・リザードンなど圧倒的な強さ・カッコよさで人気のポケモンがいる傍ら、のちに強力な形に進化するからこそ、アチャモやホゲータといったまだ子供ならではのかわいいポケモンたちも目立ちます。

 中でも「リザードン」は特に人気で、少し前に起こったポケモンカードゲームブームの時には、Youtuberのヒカキンさんが5000万円で「リザードン」のカードを購入したことも話題になりました。

 
 こちらのくさタイプには、やさしい雰囲気を感じさせてくれるポケモンが勢ぞろい。
 作品の表情も柔らかいものが多いですね!

 ポケモンとしては、アニメポケットモンスターでサトシの次の主人公の相棒となる「ニャオハ」や、ピカチュウに続いてサトシと一緒に旅した期間の長いポケモン「フシギダネ」など植物のようにポケモンという作品の根っこを支えてくれているポケモンたちが目立ちます。 


 最後に紹介するのはゴースト・あく・ドラゴン・はがねタイプ!
 
 それぞれ作中でこのタイプのポケモンは少ないですが、その分強力なポケモンも多く、印象に残るポケモンもとても多いです。

 左上の「ゲンガー」は作中でも屈指の人気を誇り、また、アニメ「ポケットモンスター」において、サトシを世界チャンピオンに導いたポケモンのうちの一匹でもあります。
 ゲーム新作の表紙をかざる「ミライドン」「コライドン」や、同じく世界チャンピオン時の手持ちポケモンである「カイリュー」など、漆黒の背景が似合う存在感のポケモンたちがずらりと並んでいて圧巻です……!!
 見ているこちらまで盛り上がってきそうなアツい一角ですね。


 ……というわけで、ここでこうげ わかさんによるお礼のメッセージをご紹介して本ケースのご紹介は終了です。

 今や国民的、世界的人気作品であるポケモン。
 30年近く続いている作品ですが、世代の方でなくても子供と一緒に観たり、映画に行ったり、遊んだりしたことでこの作品に触れたことのある方はとても多いのではないかと思います。

 子供と観に行った映画で活躍していたあのポケモン、自分が最初に選んで育てたあのポケモン、ずっと大好きでいつもぬいぐるみを持ち歩いていたあのポケモンが、愛情のこもったおりがみになって飾られている。
 私なんかは、小さいころにずっと見ていたサトシとピカチュウがまだこうやってたくさんの人に愛されていることを感じられて思わず涙ぐんでしまったのですが、他にも見る人それぞれの思い出に寄り添ったポケモンがいて、それぞれの感情を呼び起こしてくれるんだろうなあと思います。
 こうげ わかさんの今回の展示は、世代や性別を超えてたくさんの人に感動を届けられる展示だと思いました。
  

 皆さんの好きなポケモンは飾られていましたか?

 それでは、最後に今回の展示物の作成者であるこうげ わかさんからコメントをいただいておりますのでご紹介します。

 ママと台紙にはりました。
 おりがみも台紙にはるのも楽しかったです。
 がんばって作りました。
 よかったら見て行ってください。

 とのことです。
 大人でも作り切れるか分からないほどのたくさんの作品たち。一つ一つに込められた愛情も伝わってくるとても素晴らしい展示でした!

 とあるTV番組で、海外の方が日本人のすごいと思うところに「おりがみ」の技術をあげているのを見たことがあります。
 日本では当たり前のように折れる「おりがみ」ですが、海外では特別な技術とのことで、「おりがみ」によって一枚の紙から様々な形が創造される様が、まるで芸術家の技のように写るようです。

 そんな日本独自の文化である「おりがみ」に、日本から発信され世界に広がっているポケモン。
 今回の展示は、海外の方に見ていただけると、より感動していただけるのではないかと思うのですが、こちらからお届けする手段がないのが残念です。

 ……で す が、これを読んでいただいている岩国市の方には、この展示を見ていただく機会を提供することができます!
 年内の展示なので残りの展示期間も短いですが、ぜひ中央図書館に来て、愛情のこもったポケモンのおりがみたちを、それぞれの思い出に照らし合わせて見て行ってもらえればと思います。

 ずっと見ていると本当に感動してくるので、ご来館の際はよろしければハンカチをご用意ください。

 さて、中央図書館展示ケースでは、皆様からの作品も随時募集しています。過去には創作物やコレクションの展示、研究発表など、様々なジャンルの展示がありました。
 あなたの作品を中央図書館に来館された方々に見てもらいませんか?展示の申込み・お問い合わせは、岩国市中央図書館管理班(31-5048)まで電話、または中央図書館2階事務室へ直接お越しください。