岩国市中央図書館では、入口を入ってすぐ左手にある展示ケースを、小作品等の発表の場として貸し出しこれまで、コレクションの紹介から研究の発表まで、様々なテーマでの展示を行っていただいております。

 年も明けまして2025年は、大島を拠点に活動していらっしゃるポーセラーツインストラクター 松田 博美さんによる、ポーセラーツ作品展です!
 今回の展示は、当コーナー初の陶磁器の創作物! 
 私は雑貨屋さんやリユースショップさんに行くと、食器コーナーで様々な模様や絵柄の描かれたお皿やカップが並んでいる、さながら店の一角が小さな展覧会になったような光景を見るのが大好きです。同じような趣向の方は絶対に目を奪われる展示になっていると思います。

 それではお待たせしました、今回の展示内容を見ていきましょう!

 横に広い展示ケース内を、白・黒・赤と3色で区切りそれぞれ違った趣の作品を展開していただきました!
 
 今回の展示品ポーセラーツは、白磁器に転写紙や絵の具を使って模様を付けて、焼き上げることによってオリジナルの食器を作ることができるハンドメイドアートとのことですが、この全体図だけで多彩な表現が可能なアートであることがうかがえます。

 西洋のアンティークな世界を想像してしまうもの、ひな祭りをあしらったかわいいデザインのもの、日本人として慣れ親しんだ和風のデザインと、色とりどりの展示に目移りしてしまいますが、一つずつ紹介していきますね。

 まずはケース左側に位置します、これからの季節を彩ってくれるであろう、ひな祭りをあしらった、とってもかわいいこのコーナーから!
 満開の桃の花を楽しむお内裏様とお雛様。煌びやかな小物たちや、美しい鳥もその光景を一層際立たせます。
 お皿やカップだけじゃなく、座布団をイメージした四角いものや、扇状のものまで。普段見かけないような形の食器も使って、世界が表現されているのも面白いです!
 扇状の食器なんか立体的な表現ができるだけじゃなくて、一見しただけではわからない内側に模様を入れることができたり、工夫のし甲斐があって、作るのがすごく楽しそうですね。
 本来の趣旨とは少し違う気もするのですが、「こんな食器が欲しかった!」という、痒い所に手が届くような、あまり日常生活では見かけない食器を作ることができるのも面白そうだな、と思いました。

 続いてのこちらは西洋風の文様なんでしょうか? お店でよく見るおしゃれな食器もこんな柄のものが多いように思います。
 オーソドックスですが、家にあると嬉しい一品ですね。これに柄の角度や組み合わせなど、自分だけのこだわりを詰め込んで作ることができたら、ニヤニヤしてずっと眺めていられそうです。

 ひな祭りの描かれた四角いお皿はまるで一枚の絵のよう。ダルマ柄のコップも木のコースターとの組み合わせが風情があって素敵ですね!

 こちらは和のデザインのように見えて、どことなくエキゾチックな雰囲気も醸し出していてとってもクールですね。正直、ちょっとほしいと思ってしまいました。

 また、ケースの中央には今回の展示を開催していただいた松田 博美さんの主催されるポーセラーツサロンアトリエローズさんの紹介も載っています。
 ポーセラーツに興味を持たれた方・もともとやってみたかった方は要チェックです!

 最後はこちらのコーナー!

 私たちの慣れ親しんだ和風の柄ですね!
 とっくりやおちょこに羽子板のような形のお皿まで、形まで和を感じさせられるものでまとまっていて、全体から感じるめでたさがすごいです!
 お正月にぴったりなコーナーですね。
 和風の柄に和風の食器、相性抜群ですごくよく映るのですが、食器の形と相性の良い絵柄などもあったりするんでしょうか?

 あと右奥の花瓶!たくさんの花が折り重なっていて、これ一つでも大変きれいな作品なのですが、おそらく昔からあるであろうたくさんの花を合わせた表現が、浅学な私でも知っている芸術家・村上隆さんの作品のようで、うまく言葉にするのが難しいのですが、「あ、芸術っていろんなところでつながってるんだな」と今まで紡がれてきた歴史に思いをはせることが出来て感動しました。

 以上、松田 博美さんのポーセラーツ作品展でした!

“多彩さ”と前述しましたが、どんな食器を使うか、どんな絵を載せるか、絵と食器の組み合わせ、絵の掛け合わせなど、一つの作品の表現にしても無数の組み合わせがある中、それを世界観に合わせて集めることでより様々な表現が可能になる、ポーセラーツというアートの持つ表現力の広さ・懐の深さが実感できる展示でしたね!

 ここで、作者の松田 博美さんよりメッセージをいただいておりますので、ご紹介します。

 ポーセラーツは世界に1つだけのオリジナル食器等が作れます。
 瀬戸の海が一望できる特別な空間で絵付けを楽しんでみませんか?

 との事。中央図書館にあるケースはもちろん、当記事内にも写真で連絡先が記載されておりますので、興味を持たれ方は連絡してみてはいかがでしょうか?

 その歴史背景から「瀬戸内のハワイ」とも呼ばれ、島のあちこちでハワイの息吹を感じることができる大島。
 大きなビーチや水族館、釣りや果物狩りなど、自然と親しむレジャーも多くあり、岩国から遊びに行った経験がある方も多いのではないかと思います。
 そんな大島ですが、最近では恵まれた天然資源をうまく活かしたおしゃれなカフェやレストランもよく話題になります。

 このように文化面でも発展の著しい大島ですが、今回のポーセラーツのように、アートにおいても先鋭的なジャンルの開拓や発展が続いているんですね。
 この展示を通じて貪欲に発展を続ける大島の、その一端に触れる事ができて、とてもうれしかったです。
 他にはどんな興味深い文化が根付き、発展しているのでしょうか? 次に行くときはもっと色々なものを見てみたいですね。
 いやあ、大島、アツいです!

 最後に、創作物の展示の際はもうお決まりのようにこちらで明記させていただいているのですが、やっぱり今回の創作物も、写真よりも実物を見る方が何百倍も素晴らしいです!
 「もっと細部が見たい!」「この作品をもっと見たかった!」などある方は、ぜひ中央図書館まで見に来てください。

  さて、中央図書館展示ケースでは、皆様からの作品も随時募集しています。過去には創作物やコレクションの展示、研究発表など、様々なジャンルの展示がありました。
 あなたの作品を中央図書館に来館された方々に見てもらいませんか?展示の申込み・お問い合わせは、岩国市中央図書館管理班(31-5048)まで電話、または中央図書館2階事務室へ直接お越しください。