毎年、岩国市図書館では11月にたくさんのイベントを開催しています。
 10月下旬からの読書週間や、11月3日の文化の日を記念した特別開館など、読書や文化に関するイベントが多いことに由来するのですが、特に今年は11月3日のウォークラリーイベント「ホンスキーを探せ!」に始まり、11月16日の「あんびるやすこさん講演会」など特別開催のイベントもあり、多くの方に楽しんでいただけた月となったのではないかと思います。 

 そしてその締めくくりともいえるイベント、佐古利南さんの講演会「「図書館の父」田中稲城を語る」が11月25日、いわくに図書館友の会さんの主催で開催されました。
 多くの方にご参加いただいたこのイベントの関連資料を、現在中央図書館にて展示中です。


 以上が今回の展示です。この白黒の写真が田中稲城さんなのですが、中央図書館をご利用の方なら、何か見たことある気がする方も多いのではないでしょうか?

 ちなみにこちらが中央図書館のエントランスなのですが……


 そう、こちらの胸像です!
 見た記憶がある方も多いのではないでしょうか?
 
 我々図書館職員たちから親しまれているこの胸像ですが、それだけではなく、たとえば中央図書館で開催のウォークラリーイベントで子ども達を導く宝の地図では、子ども達を宝物へと導く道しるべに。
 古本市や雑誌の無料配布イベントでは、本に親しむ参加者の方を優しく見守ってくれています。

 この機会に上司に尋ねてみたところ、こちらの胸像は平成28年に寄贈していただき、当時は除幕式もあり大変盛り上がったそうです。
 10年近くにわたって図書館を見守ってくれているんですね。


 こちらの田中稲城さん、「図書館の父」の呼び名が示す通り、帝国図書館の初代館長であり、日本の図書館学のパイオニアでもあるといわれるとても偉大な方なのです。
 今回の展示では実際の資料を基に、その偉大な足跡の一部をとても分かりやすく展示していただいています。

 充実の展示内容の詳細は、できれば実際の展示を見ていただきたいので、こちらではすべてをお話しできませんが、岩国市出身の田中稲城という偉人が、日本の図書館にどうかかわりどのような偉業を成し遂げたのか、是非たくさんの方に見ていただきたいです!

 
 さて、今回の展示はいわくに図書館友の会さんによるものなのですが、今回の展示に際してコメントをいただいておりますのでこちらで紹介させていただきます。

 「いわくに図書館友の会」は岩国市図書館の応援団として活動したいと考え、今年(2025年)9月30日に発足し、市民活動センターに登録したばかりの市民団体です。

 今回発足記念として、佐古利南氏講演会「「図書館の父」田中稲城を語る」を開催する運びとなりました。


 佐古講師の講演内容の一助として、また帝国図書館初代館長でもあり、岩国市図書館(初代)も手掛けた田中稲城の著作、及び研究著作の展示を通じて、氏の功績を少しでもお知らせ出来れば、と展示を企画しました。


 今後、皆様の図書館利用が楽しくなるような企画も考えております。
 どうぞ、「いわくに図書館友の会」をよろしくお願いします。

との事です。


 ご紹介では伏せておいた、「岩国市図書館(初代)を手掛けた」というお話に、帝国図書館の初代館長が岩国市の図書館の発足にも関わっていたと知り驚かれた方も多いのではないかと思います。
 今も図書館に、自動車図書館に、電子図書館にと、たくさんの手段で、たくさんの方に利用していただいている岩国市図書館。その背景には田中稲城という本当に偉大な先人の存在があったんですね。

 普段何気なく使っている図書館ですが、その背景を知ることでもっともっと、図書館を楽しく利用することができると思います。
 私自身、初めて知ることばかりで、偉大な先人に対する己の無知に恥じ入るとともに、より一層気を引き締めて図書館で働こうと兜の緒を締める思いでした。

 こんな素晴らしい企画をしていただいたいわくに図書館友の会さんですが、今後は他の企画もご用意されているとの事で、これからの活動もすごく楽しみですね。
 今後ともよろしくお願いします!

  さて、中央図書館展示ケースでは、皆様からの作品も随時募集しています。過去には創作物やコレクションの展示、研究発表など、様々なジャンルの展示がありました。
 あなたの作品を中央図書館に来館された方々に見てもらいませんか?展示の申込み・お問い合わせは、岩国市中央図書館管理班(31-5048)まで電話、または中央図書館2階事務室へ直接お越しください。