おはなし会<ステップアップ>講座 ~児童文学作家 松田もとこさん~
令和3年1月30日(土)の14時~15時に、岩国市在住の児童文学作家、松田もとこさんをお迎えして、おはなし会<ステップアップ>講座を開催しました。
この講座は、絵本の読み聞かせボランティア、保育士、幼稚園教諭、学校教諭など、子供の読書活動に関わる活動をしている方々を対象に、知識や技術のスキルアップを図るため毎年開催しているものです。
今回は、コロナ禍の子供たちと読書活動について思うこと、創作中の絵本について、松田もとこさんにお話ししていただきました。37名の受講生が参加されました。
まず、人との出会い、本との出会いとして、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自宅で過ごす時間が増えたこの一年間を振り返り、コロナ自粛以前に出会ったり、最近のテレビで見聞きした、さまざまな作家仲間との出会いや感銘を受けた言葉や本などについて話されました。
松田さんは、児童文学の作家活動とともに、地域の子供たちが本に出合えるようにとの思いから、美和町の歯科医院の待合室に家庭文庫「まつたけ文庫」を開いて40年以上活動されていますが、この文庫を作るきっかけとなった出会いも話されました。
また、心に響いた歌の歌詞や詩集も紹介され、短い詩(言葉)の中に込められた力があること、そこから自分の好きな言葉を集めるのは気持ちのいい作業だと語られ、詩の朗読もされました。
創作中の新作絵本の紹介もあり、作家、画家、編集者でテレワークにより本を作っていること、製本前の見本となる下刷りも披露されました。
こういうときだからこそできることがある、一人ひとり、楽しみに考えてと締めくくられました。
最後に、3月27日、28日に岩国市民文化会館で開催が予定されている絵本原画展と読み聞かせ会を紹介されました。

畠山重篤・スギヤマカナヨトークイベント~人の心に木を植える~
令和2年11月8日(日)13時30分~15時に、「森は海の恋人」主宰・畠山重篤さんと、絵本作家・スギヤマカナヨさんをお迎えして、トークイベント~人の心に木を植える~を開催しました。58名の御来場があり、かねてから畠山さんの活動に関心を寄せておられた方やスギヤマさんのファンの方も、大変喜んでくださいました。
まずトークイベント前日に、錦町のオオサンショウウオの保護施設に行かれた時のお話をされました。錦川に大変感銘を受けられ、「下流域の繁栄は上流域のおかげですね。」と述べられました。畠山さんは、牡蠣やホタテの養殖業を営みながら、“海産物が育つのは、山からの影響をたくさん受けている”ということを、多くの子供たちに広めるために、各地でワークショップを開催されています。講演中スライドで映し出された写真は、川の上流から下流にわたって自然が生き物にどのように関わっていくのかを示しており、スケールの大きいワークショップに、開催者のご尽力が感じられました。スギヤマさんは、畠山さんの本のイラストをたくさん描かれていますが、『漁師さんの森づくり』で、子供さんがまだ赤ちゃんの時に、この仕事を受けて以後、関わってこられたそうです。
畠山先生は、京都大学で森里海連環学という従来の学問の垣根を越えた学問として、教えておられるとのこと。来場者の方も、新しい考え方に熱心に耳を傾けられていました。
トークイベント終了後、岩国市図書館マスコットキャラクター本の王様愛称が「ホンスキー」と決定したことを発表し、イラストを描かれたスギヤマさんよりお言葉をいただきました。

